ROAとROEの関係について(10分記事)
こんにちは。weaponです。
最近局所的で突発的な豪雨が多いですね…
この記事を書き始めた日の朝も、建物を出た瞬間にどしゃぶりの雨が降り始めまして、見事にびしょ濡れになりました…
ただ、雨宿りのために入った施設で偶然同じく雨のために入ってきたであろう友人と会いました。久しぶりだったので、ちょっぴり嬉しかったです。人間万事塞翁が馬ですね。
ちなみに、僕は大雨にあたるのが嫌いです(好きな人はいないと思うけど…)。
なぜかというと、僕はおでこが広い上に髪の毛が細い(薄い)ので、大雨に濡れるとハゲになるからです。まあでもそんなときは屋内に入ってタオルで軽く髪を拭いて、オールバックにします。おでこの広さを強調するかわりにハゲを隠す…隠せてないか。
さて、だれもハゲについて興味はないと思うので、本題に移ります。記念すべき第一弾の記事は、ROAとROEの関係についてピックアップしてみました!!
会計士試験の勉強したことがある方なら一度は見たことあるであろうこの等式。
なんとなく言わんとしていることはわかるものの、イメージがつかめず、試験直前で軽く暗記する程度に留めている方も多いかもしれません。
ですが、ファイナンスの勉強をするときや、他の指標、他の管理会計の章を理解するときのいい素材になりうるんじゃないかなーと個人的には思っています。よって、今回はこの等式について、イメージがつきやすくなるように説明してみたいと思います。
まず、ROAとROEについて軽く説明しておきたいと思います。ROA(総資産利益率)とは、企業の所有する資産を使ってどれだけ効率的に利益を稼いだかを示す指標です。一方でROE(自己資本利益率)は株主の視点からみた指標で、株主の持分である自己資本を使って、最終的に株主に帰属する純利益をどれだけ稼いだかを示す指標です。
さて、それでは具体的に数字を入れ込んで、イメージを湧かせていきましょう。
株主資本100、借入なし、1年あたり5%の利益を稼げる会社であり、稼いだ利益は毎期末にすぐに株主に配当してしまうというケースを想定します。この場合、ROAは5%、ROEは総資産=株主資本なのでこちらも5%となります。なお、今回は金融収益がないと仮定し、営業利益=事業利益かつ、営業外損益は借入による支払利息のみとします(このケースでは借入を行っていないため支払利息もありません)。図で表すと以下の通りになります。
次に、このケースを数式を使って表すと、
このような感じになります。このケースは結構極端なケースですね。
次に、資金調達の条件を変えます。総資本の合計は100で変わらないですが、その内訳を50が株主資本、50が借入金(借入利率3%)とします。それ以外の条件は同じです。
この場合、ROAは100を元手に5の営業利益を稼いでいるので、先ほどのケースと同じ5%となります。一方で、先ほどと違うのはROEの値です。分母は株主資本の50、分子は純利益がきますが、営業利益-支払利息=純利益ですので、5-1.5(借入金50×利率3%)=3.5となります。つまり、3.5/50×100=7%となります。全額を株主から調達した先のケースよりもROEの値が大きくなりましたね。
さあ、このふたつのケースを改めて比較してみましょう。
最初のケースのほう(ケース1)は資本100の全てが株主資本でした。つまり、すべての株主に持分割合に応じて均等に還元してあげなければならないので、どの株主もリターンは5%となります。一方で次のケースのほう(ケース2)では、資本100のうち借入金による調達が50、残りの50を株主資本により調達しています。債権者に対しては契約でリターン(利息)は3%と決めているので、どんなに稼いでも借入金50に対する支払いは、返済期限が来るまで1年あたり3%となります。これを言い換えれば、ケース1のときと違って、資本のうち50部分に対しては3%の還元で済むのです。これは資本50の2%分得したことになります。そしてこの得した分は、株主への還元へとまわされるのです。
さあ、この関係を式と図を使って見てみましょう(図における色と数式における色は対応しているので、比較してみてみてください)。
最後のD/Eの意味としては、「Dの2%分利益率が増えたということは、Eにおいては何%利益率が増えたといえるのか」って感じでしょうか。今回はD(借入金)=50の2%株主はより多く利益を獲得することになりますが、E(株主資本)も50なので、株主にとっても2%利益率(ROE)が増えたと言えます。これが仮にE=100だとすれば、株主の利益率(ROE)に与えるインパクトは1%(D/E=50/100だから)となります。
ちなみに、負債を使うと企業はある意味ハイリスクハイリターンとなるといえます。先述したように負債は利率が一定なので、稼げた時も稼げなかった時も一定の利息を支払い続けなければなりません。つまり、もうかっているときはより純利益率がたかくなり、株主への還元率は増えますが、もうかっていないときは純利益率はより低くなり、株主への還元率もより低くなっていくのです。やっぱりリスクを取らなきゃ大きなリターンは得られないんです。
今回の例は2つでしたが、借入利率が7%だったときのケースもやってみてください。より理解が深まると思いますよ!
さて、今回は管理会計論点の端くれを軽く説明してみました。少しでも理解の促進になれば幸いです。ご意見、ご質問がございましたらなんなりとどうぞ。
次回は、財務会計論点を語ってみたいと思います。連結のある基礎論点です。お楽しみに!